Oisixエンジニアリング部モバイルセクションでiOSとAndroidアプリのマネジャーをしているohzonoです。
2025年4月9日(水)から11日(金)の3日間、try! Swift Tokyo 2025(https://tryswift.jp/)にGoldスポンサーとして協賛させていただき、ブースを出展しました。700名を超える参加者の皆様と、Swiftを中心とした熱気のある3日間を過ごすことができました。
この記事では、当日の私たちの学びやブースの様子をレポートします。
自社プロダクトOisixのiOSアプリ開発に活かすための技術のインプット
try! Swift Tokyoは、世界中から集まったSwiftのエキスパートたちが、最新の技術やトレンドを共有する貴重な機会です。インプットや交流に集中できたこの3日間は、私たちチームにとって普段の開発を飛躍させるようなインプットが得られる貴重な時間でした。
また、自社以外のエンジニアの方々と交流することで、普段の開発では得られない視点やアイデアを得ることもできました。
参加したiOSメンバーのJaneとマネジャーのohzonoが、特に印象に残ったセッションをご紹介します。 セッションの動画がYouTubeにアップされているので、URLも合わせてご紹介します。 興味を持っていただけましたら、ぜひ動画もご覧ください。
iOSエンジニア: Jane
1. Swift WTF: 奇妙な挙動、落とし穴、そして修正策: Sophie Hudsonさん
登壇者は、Swift界の有名講師Paul Hudson氏の娘であるSophie Hudsonさんでした。堂々としたプレゼンテーションで会場が沸いており、そのプレゼン能力にも感銘を受けました。
セッションでは、-10.squared()
の結果が-100
になる例など、演算子優先順位やUnicode合成などのSwiftの"???"な挙動を次々と披露されました。
多様な視点×好奇心が、バグを早く見つけ、ソフトウェアの品質を維持する要素の1つであることを学びました。私のチームでも年齢・経歴を問わず、レビューで「なぜ?」を投げ合う文化を強化していきたいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=ixE8KmvLfa8
2. J1プロサッカーチームFC町田ゼルビアのImmersive動画を撮影しSwiftでViewerを実装し体験会実施した: Satoshi Hattoriさん
J1 FC町田ゼルビアの試合を180° Immersive Videoで撮影し、Vision Pro用ビューワアプリのデモと、その実装の詳細を紹介するセッションでした。
セッション中のデモでイメージは湧いていたものの、実際にビューワアプリを体験させていただき、まるで目の前にマスコットや選手がいるような体験に鳥肌が立ちました。生成AIだけではなく、AR/VRの分野でも技術革新が進んでいることを実感しました。このような技術の進化をOisixアプリにも取り入れられないか、頭を悩ませています。
https://www.youtube.com/watch?v=uuBpbHIcTDc
3. リアルタイム自動翻訳 Flitto
セッションではありませんが、今年のtry! Swift Tokyoでは、同時通訳用イヤホンの代わりに「リアルタイム字幕タブ」が公式アプリに実装されていました。韓国のスタートアップFlittoがバックエンドを提供し、登壇者の発言をほぼ瞬時に二言語へ翻訳してくれました。
try! Swift Tokyoは、ほとんどのセッションが英語で行われます。Flittoには若干のラグはありますが、英語と日本語の両方でほぼ同時にセッションを楽しむことができました。特に、英語に自信がない方や、英語を学びたい方には大変ありがたい機能でした。
モバイルEM: ohzono
1. 素早く実現する優れたアプリデザイン: Sebastiaan de Withさん
Apple Design Awardを受賞された方で、Appleの共同創業者であるSteve Jobsと働いていたデザイナーの方のセッションでした。 トークの途中では未知の技術も体験させていただきました(言葉で説明するのは難しいです。ぜひ動画をご覧ください)。機能性にとどまらない素晴らしいプロダクトを作るための情熱を分けていただきました。
正直なところ、まだ私の中でこのセッションを消化しきれていません。日頃のOisixアプリの開発では、もっと良くしていきたいという気持ちはあるものの、なかなか前に進まない日も少なくありません。そんな中、このセッションを拝見し、勇気をもらいました。プロダクトへの情熱を持ち、手を動かし、試行錯誤をしながらこのセッションと対話し、アプリと共に成長していきたいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=5qURvTGz40Q
2. Swiftコード生成の可能性を解き放て by rocknameさん
DIの話をするとき、AndroidエンジニアであればDaggerについてご存知の方も多いと思います。このセッションでは、DaggerにインスパイアされたSwift向けDIコンテナーのOSSの作者自身が、DaggerのようなDIをどのようにSwiftで実現するかを解説してくれました。
私自身、AndroidエンジニアからiOSエンジニアに転身した時にDIコンテナーの技術選定に非常に迷い、結局はAppDelegateに集約していました。 既存のiOSアプリにDIコンテナーがまだない場合は、技術選定する上でとても参考になるセッションだと思います。
また、DIコンテナーの利用について、iOSエンジニアがAndroidエンジニアと目線を合わせるときに、どのようなワードを知っておくとよいかを押さえることのできるセッションだと思いました。 Swift Macroを利用した具体的な実装は、DIコンテナーに限らず参考になると感じました。
https://www.youtube.com/watch?v=Csvhb-XnQUY
協賛 そしてブース出展
当日は、Swiftを愛する皆様との交流を楽しみました。 初めて*1のブース出展となり、不手際などもあったかもしれません。
ブースの様子
ブースでは、アンケートを実施させていただきましたので、その結果も共有させていただきます。 回答者は225名でした。ご協力いただきありがとうございました。
問1: Have you heard of Oisix before? / Oisixをご存知ですか?
個人的には、意外と知っていただけており驚きました。海外の方もご存知の場合があり、利用されたことがある方もいらっしゃいました。 また、各国にある似たようなプロダクトを教えていただくことで、私たちの視野も広がりました。
問2: Can you guess how many members we have on our iOS team at Oisix? / OisixのiOSメンバーは何人いると思いますか?
正解は...3名です。
正社員が1名、フルタイムの業務委託の方が2名で、うち1名は海外からのリモート勤務です。
41.7%の方が4名、またはそれ以上と回答されていました。
Oisixアプリには約150の機能*2があり、正直カツカツです。
問3: (Open-ended) What do you look for in meals at home? / (任意)自宅での食事に求めることはなんですか?
食に対する要求が多様であることを改めて実感しました。また、回答いただいた方々にも「食」が持つ多様性を感じていただけたのではないかと思います。
「Oisix使ってます/使ってました」とおっしゃっていただく機会も多く、うれしい限りです。 ブースにてお配りさせていただいたお菓子から、「おいしさ」「たのしさ」「信頼」「社会とのかかわり」*3を感じていただけたのではないかと思います。
まとめ
早速来年の開催も共有されていました🎉 開催が楽しみです。
私は2024年に一般参加しましたが、今年はオイシックス・ラ・大地としてブースを出展できました。いち企業としてSwiftのコミュニティに貢献できたことを、大変うれしく思います。 ブースを出展できたことがうれしいと同時に、会社の理解がありがたいなと感じています。
私個人としては、リアルタイムでセッションに集中できないもどかしさもありました。しかし、自社のエンジニアと一緒に大規模カンファレンスに来て、ブースを通して会場の雰囲気やナレッジを共有できたことは、個人での参加では得られない貴重な経験でした。
最後になりますが、try! Swift Tokyo 2025のスピーカーの皆様、参加者の皆様、協賛企業の皆様、スタッフの皆様、そしてOisixブースにお立ち寄りいただいた皆様、立川市の皆様、本当にありがとうございました。
勉強会(オンライン)のご案内
Oisixでは、6/16(月)のお昼12:00〜13:00にオンライン勉強会を開催いたします。
LT: Oisixアプリのクラッシュ率およびその変遷
実際のカジュアル面談を寸劇でお届け
そのほか、社内のモバイルエンジニアがフランクにお話しするLTを行う予定です。 以下から、ぜひお気軽にご参加ください。
https://connpass.com/event/355658/
また、try! Swift Tokyo 2025の参加者に限りますが、ご希望の方向けにプレゼント(条件付き)もご用意しております。ブースにいらっしゃった方は想像がつくかもしれません。🍅
モバイルチームのマネジャーとしては、iOSエンジニアの社員が1名という状況を何とかしていきたいです。 いまは転職する気がなくても、Oisixのプロダクトや組織、iOSのコードベースやアーキテクチャ、今後の展望に興味がある方は、ぜひお気軽にお声がけいただくか、上記の勉強会にご参加ください。
ぜひ勉強会にてお会いできることを楽しみにしています!ohzonoでした。
OisixアプリのiOSエンジニアを絶賛募集しております。詳細は以下のURLからご確認ください。
iOSリードエンジニア:
https://ats-entry.hito-link.jp/sites/oisixradaichi/matter/matters/100014
iOSエンジニア:
https://ats-entry.hito-link.jp/sites/oisixradaichi/matter/matters/103784
その他の職種については以下からご確認ください。
https://recruit.oisixradaichi.co.jp/application-requirement/
*1:現メンバーの記憶にある中では初めて。過去に野菜ジュースを配っていたことがある、とスタッフや参加者の方から伺い、iOSDCでしょ〜と思ったら本当のようです。たぶん2017年のことです。
*2:Oisixアプリ開発に関わり始めた人が初見で容易に想像できないであろうことを境界として、機能数をリストアップした結果です
*3:Oisixの約束から: https://www.oisixradaichi.co.jp/story/